
果物や野菜の缶詰で知られる米食品メーカー「デルモンテ・フーズ」が、米連邦破産法第11章の適用を申請した。2日(現地時間)、ウォール・ストリート・ジャーナルやAP通信などが報じた。
カリフォルニア州に本社を置く同社は、新型コロナ以降の消費者の嗜好変化や売上不振などにより経営が悪化。現在は買収先を探している段階だ。
デルモンテ・フーズは、フィリピンの「デルモンテ・パシフィック」傘下にある米国子会社で、「デルモンテ」「コンタディナ」「カレッジ・イン」などのブランドを展開してきた。
消費者の間で「防腐剤入りの缶詰食品」より、より健康的な選択肢が好まれるようになったことも逆風となった。在庫処分や保管費用の負担が重なり、過去5年間で年間利息負担は倍増、1億2500万ドルに達し、営業利益を上回る水準となっていた。
提出された裁判所資料によると、同社の負債総額は10億〜100億ドルと見積もられている。
グレッグ・ロングストリートCEOは、「消費者支出の減少や低価格のプライベートブランド人気の高まりなど、マクロ経済的な逆風が重なった」とコメント。「新たなオーナーと財務再建により、長期的な改善を目指す」としている。
デルモンテ・フーズは1886年にサンフランシスコで創業。2014年から現在の親会社のもとで運営されていた。
