
結婚式当日に新郎家族の暴言を受けた少女に何が起きたのか
アゼルバイジャンで、結婚式の最中に新郎家族から「裸のようだ」と侮辱された19歳の花嫁が、翌日に命を絶つという痛ましい事件が起きた。イスラム文化圏に根強く残る家父長的価値観が、再び社会問題として浮き彫りになっている。
英デイリーメールなどによると、亡くなったのはミンガチェビル在住のレマン・マメドリ(19)。彼女は10月24日(現地時間)、エルヌール・マメドリ(33)と結婚式を挙げた。

レマンさんは肩や鎖骨がわずかに見える純白のウェディングドレスを着用していたが、新郎側の家族はこれを「露出が多すぎる」「家の名誉を傷つける」と批判。式中にも「裸のようだ」「そんな服を許すとは恥知らずだ」などの暴言を浴びせたという。
その後も非難は続き、新郎の家族が花嫁の実家を訪れ、夜通し罵声を浴びせた。花嫁の両親が「一般的なドレスにすぎない」と反論したものの、新郎家族は翌日も責め立て、「家門の恥」と言い放った。
度重なる屈辱とプレッシャーに耐えきれず、レマンさんは翌日、自宅の庭で自ら命を絶った。
父親は「娘はあまりにも苦しんでいた。彼女を追い詰めたのは理解のない偏見だ」と涙ながらに語った。
葬儀には新郎も出席したが、花嫁の家族によって会場を追い出されたと伝えられている。
アゼルバイジャンでは法的にヒジャブの着用義務はないが、地域によっては女性の服装に対して依然として保守的な価値観が根強い。
現地警察は、新郎家族による侮辱や精神的圧迫が犯罪にあたる可能性について調査を進めている。
