「トランス女子高生」が州大会優勝!抗議殺到で現場騒然

「トランス女子高生」が州大会優勝!抗議殺到で現場騒然

2025年5月、カリフォルニア州で開催された高校陸上の州選手権で、ある選手の出場が大きな波紋を呼んでいる――。

注目を集めたのは、トランスジェンダーの女子選手、AB・ヘルナンデスさん(16/ジュルパ・バレー高校所属)。走り幅跳び・三段跳び・高跳びの3種目で堂々の予選トップ通過を果たし、実力で注目を浴びた一方、会場では前代未聞の“騒動”が巻き起こっていた。

「女子競技を守れ!」抗議が飛び交う異様な会場
ヘルナンデス選手は三段跳びで約12.5mを記録し、2位の選手に約25cm差をつける圧巻の成績。
しかしその直後、「NO BOYS IN GIRLS’ SPORTS(男子を女子競技に入れるな)」と書かれた飛行機バナーが会場上空を旋回。さらに、観客や保護者の一部からはブーイングや抗議の声も上がり、競技中にもかかわらず現場は騒然とした雰囲気に包まれた。

決勝戦の会場外に集まった抗議者たち
決勝戦の会場外に集まった抗議者たち

対応に追われる大会運営 “救済措置”導入へ
これを受け、主催するカリフォルニア高校体育連盟(CIF)は急きょ「予選順位でヘルナンデス選手に敗れた生物学的女性選手のうち、次点の1名を決勝に進出させる」という異例の“ダブル進出ルール”を導入。
公平性を求める声と、トランス選手の参加を支持する州法の間で苦慮する中、前例のない対応に追われた。

トランスジェンダーの女子選手、AB・ヘルナンデスさん

政治にも波及 トランプ大統領は「資金停止」発言
この一件は政治的な火種にもなっている。ドナルド・トランプ大統領は「スポーツの公平性を破壊する行為」と激しく非難し、連邦政府からのカリフォルニア州への資金提供の停止をちらつかせた。
一方、州知事ギャビン・ニューサム氏は「CIFは妥当な判断をした」と擁護。連邦司法省は「性差別の疑い」で調査を開始する構えも見せており、問題は拡大の一途をたどっている。

トランスジェンダーの女子選手、AB・ヘルナンデスさんが優勝

本人は沈黙も、母がコメント「彼女は誇りを持っている」
渦中のヘルナンデス選手は沈黙を貫いているが、母親はメディアに「娘は自分のアイデンティティとアスリートとしての努力に誇りを持っている」と語っている。

公平性か、多様性か――。
若きアスリートの躍進が、全米のスポーツ界と社会に波紋を広げている。