最年少は12歳──HIV感染が10年で5倍に フィリピンで若者に拡大

最年少は12歳──HIV感染が10年で5倍に フィリピンで若者に拡大
急増するHIV感染者、1日あたり56人が新規感染(フリー画像)

フィリピンでヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者の急増が深刻化し、国家公衆衛生非常事態の宣言を検討すべきとの声が上がっている。

現地紙インクワイアラーなどによると、フィリピン保健省は2025年1〜3月のHIV新規感染件数が5101件に達したと発表。1日平均56件で、前年同期(3409件)と比べ約50%増加している。

特に若年層での感染が深刻で、15〜25歳のHIV発症件数は2013〜2023年の10年間で500%以上増加。最年少感染者はパラワンに住む12歳の少年で、性的接触による感染とされている。

また、同期間中にHIV感染やエイズ(AIDS)発症による死亡者は145人に上った。

保健省のテオドロ・ハボサ長官は、「フィリピンは西太平洋地域で最も急速にHIVが広がっている国」と指摘し、「この傾向が続けば、感染者数は40万人に達する恐れがある」と警鐘を鳴らした。国家公衆衛生非常事態の宣言は大統領の権限に基づくが、必要性を強調している。

感染経路は主に性的接触で、そのうち83%は男性間の性行為によるものと分析されている。ハボサ長官は「HIVはもはや“死刑宣告”ではない。早期の検査、予防、治療の体制強化が急務だ」と呼びかけた。