
中国で30代の無名俳優・張一陽(ちょう・いちよう)が、当時16歳だった交際相手を殺害した罪で昨年12月に死刑を執行されていたことが、7月23日に明らかになった。芸能人が死刑に処されたのは、中国では極めて異例で初のケースとされる。
張氏は2022年、当時交際していた少女を陝西省の森に誘い出し、別れ話をきっかけに激昂して殺害。陝西省咸陽市中級人民法院は2023年12月18日に死刑判決を下し、同日に銃殺刑を執行した。犯行の動機は「別れを告げられたことへの怒り」とされた。
警察の調査によると、張氏は1990年生まれで、強い支配欲と偏執的な性格を持ち、交際中は自殺をほのめかして彼女を精神的に支配していたという。被害者の年齢が明らかになると、ネット上では小児性愛的な傾向を指摘する声もあがった。
張氏は「8線俳優」と呼ばれるレベルの無名芸能人で、2012年から映画やネットドラマに出演し、2019年には小規模な映画祭で男性俳優賞を受賞したが、一般的な知名度は皆無に等しかった。中国の芸能界では、人気や知名度に応じて「一線」「二線」などとランク分けされており、「8線」はテレビや映画に出ていてもほとんど知られていないことを意味する。
しかし、彼が主演した映画『解語人・深淵』が今年3月にオンライン配信されたことで、再び注目を集めている。中国当局は、社会的に問題を起こした芸能人をブラックリストに登録し、作品の放送や公開を厳しく制限しているが、張の出演作はいまだ視聴可能な状態だ。
SNSでは「無名俳優だから制裁の対象にならないのか」といった批判が噴出し、「エンタメ業界の二重基準」との非難が強まっている。
